僕らが花を買う理由
花を買う機会ってあんまりない。あげたいなって思うときはあっても、思うだけで結局は買わない。
自分用に欲しいと思った経験はゼロだった。
今日はじめて欲しいと思った。窓を見ていたら、ここに花なんかあったら良いんじゃないかと思った。
花言葉が「感謝」の花が良いんじゃないかと思った。
今まで私は「感謝」を何だか胡散臭く思っていた。ブラック企業の社長ってやたらと感謝するイメージがある。
そのせいで何だか「感謝」を快く思っていなかった。
異常である。「感謝」って本来ものすごく快いはずである。ブラック企業の社長のせいで、「感謝」は風評被害を受けていたのだ。
私は「感謝」を再評価しようと思う。手始めに「感謝」の花言葉を持つ花が欲しい。
花屋の店員さんに「花言葉が感謝の花ください」と尋ねれば良いのだろうか。
「ステキ」と思われるだろうか。「何だよコイツ」と思われるだろうか。
私は「何だよコイツ」って思われると思う。
そもそも花屋の店員さんって花言葉に詳しいんだろうか。花の手入れ方法とかは知っている気がする。花言葉は怪しいラインだ。
「花言葉に詳しいから花屋になった」
そんな店員さんがいたら、ここぞとばかりに対応してくれるだろう。意外と花屋では、花言葉の知識を披露する機会がなかっただろう。
花言葉にはキザなイメージがある。キザな奴が花言葉を多用するせいだ。花言葉じたいは別にキザではないはずだ。こちらも風評被害である。