小池都知事は都の職員のボスである
公務員は世間から叩かれやすい。これは公務員が国に属しているからだ。
「オレたちの税金で飯を食ってるくせに」そんな罵声をよく耳にする。
公務員を我々とは一線を画した、体制側の人間だと思っているからかもしれない。
私には都の職員として働いている友人がいる。友人には体制側の素振りがない。公務員について回るイメージの硬さもない。そこら辺のサラリーマンと同じように働き、同じように生きている。
ほとんどの公務員がそうだろう。叩かれているのは、公務員ではなく公務員という概念なのかもしれない。
そのとばっちりを、生身の公務員が受けている。
「お役所仕事しやがって」「この税金泥棒」
罵声を浴びせられる。たまったものじゃないだろう。すべて概念が悪いのに。
都の職員には小池百合子さんを「社長」と呼ぶ人がいるらしい。長く勤めている人ほどその傾向にある。
「都民」ではなく「都の職員」としての生活の方が長いからかもしれない。「都知事」ではなく「社長」の方がしっくりくるのだろうか。
例えばここに1人の公務員がいるとする。彼は普通のサラリーマンと何ら変わらない。体制側の雰囲気なんかまるでない。
そんな彼が小池百合子さんを社長と呼んでいた。私はそれを耳にする。いきなり彼が政府の犬に見えてくる。体制側度が急上昇だ。
概念を叩いている人たちが群がって来そうな事態だ。
小池さんを社長と呼んでいる人は気をつけた方が良い。