古き良きブログ

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ドンキホーテのPOPのフォント

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会社の近くにドンキホーテがある。私は会社に向かうとき、ドンキホーテの裏を通って行く。

ドンキホーテの裏口の扉には「避難口のため駐輪禁止です」と注意を促す貼り紙が貼ってある。

私は貼り紙を2度見してしまった。

貼り紙の文章は、ドンキホーテのPOPのフォントで書かれていた。もう貼り紙とは呼べない。注意喚起のPOPである。

ドンキホーテのPOPのフォントについては、ドンキホーテのPOPのフォントとしか説明しようがない。

あの丸っこくて余白のない、こちらに迫ってくる感のあのフォントだ。

「避難口のため駐輪禁止です」

こういう注意喚起は普通もっと無機質なフォントで書かれている。さもなければ怒りに任せた手書きである。注意喚起は楽しげに迫って来たりしない。

ドンキホーテはこのフォントに強い思い入れがあるに違いない。自社開発したフォントなのかもしれない。

ドンキホーテ フォント」で検索してみた。ドンキホーテのPOPを元に、誰かが作ったフォントが見つかった。

フォント名は「ドンキ」。ここまで直球なのにオフィシャルのフォントではない。

ドンキホーテが公式に発表しているフォントは見つからない。ただ別の興味深い情報は見つかった。

ドンキホーテには「POPライター」と呼ばれるPOP制作専門の社員が存在するのである。

求人募集もしている。POPライターのインタビュー記事もある。

インタビュー記事によれば、ドンキホーテのPOPは全て手描きである。各店舗にPOPライターが1〜3人在籍している。

POPライターとして採用が決まったら、まずは「ドンキ文字」(記事内でそう呼んでいた)を習得しなくてはならない。

インタビュー記事の方は、ドンキ文字を見よう見まねで習得したようだった。

ドンキ文字の師範的な人はいないのかもしれない。

過去のPOPを手本にドンキ文字を独学しなてはならない。

POPを模写しているうちに気づくのだろう。師範はずっと「ここ」にいた。このPOPを残した先人たちが師範なのだ。

フォントデータとしてのドンキ文字は存在しない。ドンキ文字はデータでは引き継がれない。POPライターの腕から腕へと継承されていくのである。