花を買いに行った、続き
花を買いに出かけた。カンパニュラを買おうと決めていた。
「花言葉 感謝 夏」と検索したら、カンパニュラとトルコキキョウがが出てきた。
写真で見た感じカンパニュラの方が洒落てる気がしたので、カンパニュラを買おうと決めた。
名前も銀河鉄道の夜の登場人物みたいで洒落ている。
私は駅中にある花屋に出かけた。カンパニュラの存在はさっき知った。今までそんな花があるなんて知らなかった。花を見ただけではどれがカンパニュラなのか分からない。
「カンパニュラっていう花ありますか?」
私は店員に尋ねた。さっき知ったばかりの名前なので「ったいう花」と言った。
「カンパニュラは今おいてないですね。この前まであったんですけどね」
私はその店を後にした。
次は駅前の花屋に行った。少し派手目のおばさんが1人で店番をしていた。
「カンパニュラありますか?」
今度はカンパニュラと断定して尋ねた。
「そういえば入ってないわね〜」
この店にもなかった。今年はカンパニュラは不作なのだろうか。
もう1軒、商店街に花屋があったはずだ。私はその花屋へ行った。しかしそこにもカンパニュラはなかった。
花屋の店主は男性だった。店主はとても親切に対応してくれた。
私はその店を出た。大型の花屋に行けばあるだろうか。そんな花屋どこにあるのだろう。私は「大型の花屋」について調べた。
調べていて思った。なぜ私はこんなにもカンパニュラを求めているのだろう。花言葉がそんなに大事だろうか。大切なのは感謝そのものじゃないのか。
1軒目の店員さんも2軒目の派手なおばさんもとても親切に対応してくれた。さっきの男店主だってそうだ。その人たちに感謝の意を表すべきじゃないだろうか。
私は何の花でも良いので、今出た店で買おうと決めた。もう暑くて歩き回るのも嫌だ。1軒目と2軒目の店員さんたちはごめなさい。
私は店に戻り、カンパニュラじゃなくて良いので窓における花が欲しいと店主に伝えた。
「ここら辺の花が良いですよ」
店主が勧めてくれ花の中にトルコキキョウがあった。感謝の花言葉を持つ花である。さっきは気がつかなかった。
私はトルコキキョウの購入を決めた。
「何でカンパニュラ探してたんですか?」
店主に尋ねられた。私は理由を伝えた。恥ずかしかったので照れながら伝えた。
「そうなんですね。この間もカンパニュラ探してる男性のお客さんいたんですよ」
意外といるんだなと思った。
「花屋はあんまり花言葉に気にしないんですよ」
やっぱりそうか。そう思っていた。
「ネットに上がってるのって嘘多いですしね」
では私の見た情報も嘘かもしれない。カンパニュラは感謝の花言葉など持っていないのかもしれない。
切り花を1本買っただけの私を、店主は丁寧に見送ってくれた。店主も客に感謝の意を表しているのだろう。
カンパニュラを探し回らずに良かったと思った。